登頂成功!


のぼりきった!自分の足で!

 今朝も5時起き。
誰一人文句も言わず、きっちり起きてきます。
「おはよう」
決意と勇気にあふれた挨拶が飛び交います。


見事な朝焼けが乗鞍岳の背景を彩っています。

朝食を手早くとり、テントをたたみ、出発です。
いよいよ3026メートルの頂、乗鞍岳剣が峰へのアタックです。
しかも、山中2泊に必要な装備一式を背負ってのアタック。
肩に食い込むリュックの重さに容赦はありません。
それでも
「一足、一足、山をも、谷をも」
の精神で、進みます。


森林限界を越えます。
土がなくなり、岩場を迎えます。
雪渓が現れます。
雷鳥が姿を見せてくれます。
風は谷から雲をつれ尾根を吹きぬけていきます。
一足、一足、進みます。


出発からおよそ6時間で、全員が山頂にたどり着きました。
最後は岩場に張り付くようにしてよじ登ります。
もう、ここより高い所はありません。
疲れもピークですが、わたしたちはやり遂げました。
それからあと1時間半ほど歩いて畳平へ移動し、そこからバスで
乗鞍青年の家へ帰りました。
畳平へ降りる途中でであった軽装の登山者は、
「すごいな、この子たち」という目で
大きなザックを背負っている私たちを見ています。
こどもたちも誇らしげに「こんにちは!」と大きな声で挨拶を
していました。

青年の家に戻ってからもやることはしっかりあります。
まず、キャンプに使用した物品の返却。ちゃんと洗って汚れを落とし、
きれいに干してからそれぞれの数をそろえ、ようやく返却することができます。
それから夕食の準備。
火をおこし、野菜を切り、テーブルを設置します。
夕飯はバーベキューです。もうみんな、たらふく食べましたよ。

その片付けももちろんみんなでやります。
「しんどいからやらない、やりたくない」
なんて、誰も言い出しません。疲れていることは間違いないんですよ。
でも、言わないのです。
そんな力を、子ども達は持っているんです。
就寝は、今夜は青年の家です。布団で眠れます。
ゆっくり、おやすみなさい。
明日は、いよいよ、家に帰る日ですよ。




くずてつ