保護者のみなさまへ ディレクターあいさつ

 このたびは私どもが主催する冬キャンプにお子様を参加させてくださり、まことにありがとうございました。
 世界的な不況の影響で参加者が例年より少なくなり、集合時にはみなさんもご心配になられたのではないかと思います。
 しかしキャンプの出来はたいへんいいものとなりました。例年私どものキャンプは高評価をいただいているのですが、今年は例年以上でした。上にも書きましたが、キャンプ終了時のアンケート調査では、全員が「とてもたのしかった」と回答、またスキー技術についても全員が「ともて上手になった」と回答してくれたのです。
 えてして少人数のキャンプは「元気がなくなる」とか「勢いがない」とか「切磋琢磨がうまれない」とか言われることもありますが、しかしそれらは必ずしも正解ではありません。
 とりわけ今回のようにスキー技術を身につけることが目的のキャンプなら、少人数でできることの良さというのは大きいといえます。学習塾でも少人数教育を謳っているところが増えていますが、技術習得、学習ということでは、大人数はなかなか効率が上がりにくいし、ひとりひとりに則した指導がしずらいのが実情なのです。少人数というのは、必ずしも悪いことばかりではないのです。
 
 しかし、少人数、ということだけが、今回のキャンプの大成功を導いたわけではありません。

 スキー指導者が、私を含め、全員がスキー場を熟知しており、また子どもの指導、コーチに慣れているこということも挙げられると思います。
 とくに高校生インストラクターのタグはSAJ1級の腕前であると同時に山村留学を中学の間3年経験し、その経験から小学生をコーチすることはたいへんに上手です。中学生インストラクターのもりと(中3)もSAJ2級の腕前と地元小中併設校の中学生ならではの小学生とのコミュニケーションの上手さでキャンプの子どもたちを受け止め、力を伸ばしてくれました。現在SAJ2級資格取得をめざしているホリくん(中3・山村留学生)はキャンプ運営面でこどもたちをリードし、楽しい雰囲気づくりに貢献してくれました。
 たいへんありがたいことです。と同時に、山村留学生の力、小中併設校のよさを改めて感じた次第です。継続的な縦の人間関係は大事、ということだと思います。
 また今回のキャンプが満点だったもうひとつの理由に、天気がよかったことがあげられると思います。初日、子どもたちが来る前日に降ってくれた雪のおかげでそり遊びができましたし、後は全日程晴れ! 青空の下でのスキーは快適だし、星空観察も毎晩のようにできました。天気に恵まれたこともたいへんありがたかったです。
 世界同時不況と同じく、地球温暖化の問題も深刻です。―実は地球は温暖化せず、この後寒冷化して食糧不足、エネルギー不足が深刻になる、という論も最近になって出始めてきましたが、いずれにせよ、人類は難しい問題につぎつぎ直面していきます。
 そうした問題を解決していくのは、やはり人間です。人間の知恵と、技術、これが肝心です。しかしそれだけではまだ足りません。前向きで、献身的で、思いやり深く、勤勉であること。資本主義社会のぎらぎらした欲望にふりまわされない叡智が、そうした人間性から生まれてくるに違いないと私は思っています。
 そんなことを考えながら、山村留学を、キャンプを行っています。
 これからも、特定非営利活動法人なみあい育遊会の活動にご理解、ご協力をよろしくお願いします。

くずてつ